前置き
2003年に続いて
(c)士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊製作委員会
2004年の思い出のアニメです。
一番印象深いのは【攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG】です。
正直キッズの私には話が難しすぎてリアルタイムで観ていた時はアクションシーンだけを見ていました。
高校生になってからTSUTAYAで前作も含めて一気に借りて視聴し、うっすら理解しましたが、それでも解釈などは人それぞれ別れるところであり難しい作品だと思います。
あらすじ
義体化、電脳化が進んだ未来。義体化による驚異的な身体能力や電脳化によるインターネット技術の進歩によるサイバーテロにより犯罪の凶悪さは増していくばかり。
そんな中犯罪を事前に阻止する目的で設立された内務省・首相直属の特殊部隊である少数精鋭公安9課の活躍を描く。
2ndでは【個別の11人】事件というテロを発端とした難民と日本国民との対立、それに伴い暗躍する内閣情報庁と対立する公安9課。難民たちを開放すべく導く革命家クゼの三者が絡み合いストーリーが進んでいく。
※難民たちは少子高齢化が進む日本国の労働力、生産力として期待され帰化してもらおうと政策がすすめられたが、他国民に取って代わられると感じた保守派が反発する。
そこに【個別の11人】と名乗るものたちが難民擁護派閥に対し次々とテロを起こしていく。難民たちはさらに追い詰められていき、今度は難民たちもテロを引き起こすという争いが争いを生む状態に。
【個別の11人】はテロリストが11人いるわけではない….逮捕や排除していっても次から次へと同調し新たな【個別の11人】が生まれてくるのだ。中国大使館を占領した一番初めの【個別の11人】が死に際に残した「死など我々には意味はない」という台詞が響いてくる。
S.A.C. 2nd GIGの用語(簡単に。)
義体化
現代でも義足や義手とあるが、脳や中枢神経を除く全てを機械化。
サイボーグ化することを指す。これにより驚異的な身体能力も可能となり、作中の派手なアクションシーンに現実味を持たせている。
義体というより、体の一部の機械化ですが現代技術ではリアルに見せることはできるが、作中のように跳躍だけでビルの二階分近く飛び上がることや驚異的な速さで走ったり等のアクションは難しいようだ。
ひっそりと軍事技術で開発などはされているかもしれないですが….強化外骨格(米軍)はかなり開発が進んでいるようなので、なんだか義体ができる日も近そうです。
攻殻シリーズの作中で怖かったのは体だけ若い女性(全身義体)で中身の電脳は男の老人だったという話。
この世界では外見は、ある意味あてにならないかもしれない。
電脳化
脳とマイクロマシンを融合し、ネットに直接アクセスすることが可能となる。
電脳化することでお互いに無線のようにやり取りすることも可能。
自身の意識をネット上にダイブすることもある。
攻殻機動隊の世界では、義体化までしていなくとも、電脳化している人は非常に多い。そして現代技術では理論上実現も可能とはされているみたい。
しかし電脳化も便利なだけではない。
パソコンウイルスと同じでハッキングされれば操られてしまうし、電脳を焼かれてしまい亡くなる人もいる。今回のセカンドではそれに関係するウイルスが鍵。
登場人物
(数人のみ、魅力的なキャラクターはもっと沢山います。)
草薙素子(cv.田中敦子)
(c)士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊製作委員会
脳と脊髄の一部を除いて、肉体をほぼすべて義体化している。そのため実年齢は不明。
ボディの素材やソフトは一般流通していない超高性能品。
陸自のヘリコプターをその体1つでたぐり寄せる事が出来るほどの高出力なパワーを持っている。
幼い頃から電脳・義体化していたため、世界屈指の電脳・義体使い。作品により彼女が全身義体化した経緯は異なるが、今回私が視聴した2ndでは飛行機の、墜落事故がきっかけでした。
当時命を救うには義体にするしかなかったため止むを得ずといった経緯。
かつて軍に所属していた過去からメンバーからは「少佐」と呼ばれている。
攻殻機動隊を知らない人でも彼女が光学迷彩で姿を消しビルから飛び降りるシーンはどこかで見たことあるかもしれません。
バトー(cv.大塚明夫)
(c)士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊製作委員会
両目が義眼の大男。そして素子と同じく肉体の大半を義体化。スピンオフの映画イノセンスでは主人公でしたね。
イノセンスも非常に面白かった。彼の実力は草薙に継ぐ程。陸上自衛隊の元レンジャーであり軍人らしい行動をとる。
趣味は筋トレっぽいがサイボーグに筋トレは有効なのか….
草薙素子のことをよくメスゴリラなどと、からかいちょっかいを入れるが、好きな子にちょっかいをかける中学生のよう。実写化したらスティーブン・セガールが演じそう。髪型的に。若いピルウ・アスベックでした。
また職業柄か銃や車など機械全般に対して並々ならぬ愛情を注ぎ、個体差があまりないタチコマも自身の愛機として一個体を可愛がっている。
トグサ(cv.山寺宏一)
(c)士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊製作委員会
草薙により本庁からスカウトされた。電脳以外は義体化していない9課では異色の存在。課内唯一の所帯持ち。体が生身なので他のメンバーよりも見ていてハラハラしてしまう。トグサの銃撃戦は他メンバーの銃撃戦とは重みが違います。マテバ社のリボルバーを愛用しています。
6話ではトグサが活躍します。また荒廃した東京の様子が描かれ、廃墟好きにも堪らないのではないでしょうか。廃墟化した都庁が登場します。
(c)士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊製作委員会
アニメの人気もあり、現実世界でもガスガンとして発売されていました。
かっこいいマテバのリンクを貼りたかったのですが、アドセンス的に怪しいので断念、、
東京立川駅にあり現在は取り壊されてしまった第一デパート内のコトブキヤに何度も足を運びマテバを見に行ったものです。(中学生に買える値段ではなかったため。)
サイトー(cv.大川透)
(c)士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊製作委員会
生身の度合いはトグサにつぐ。
優秀な狙撃兵であり典型的な軍人体質である。実直で冷静を真面目な仕事人。口には出さないが仲間を大切に思っていることがアニメを見ているとわかる。左目の義眼は鷹の目といわれ、狙撃時は人工衛星とリンクさせ、さまざまな情報、距離、角度など算出し完璧な狙撃を生み出す。カッコヨスギ。
クゼ・ヒデオ(cv.小山力也)
(c)士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊製作委員会
セカンドのキーパーソン。反難民派【個別の11人】事件の犯人の1人であるが、その後難民たちを導く存在に…..
こちらもとんでもない高性能義体を使用しており自己修復機能までついている。元軍人のため戦闘能力が高く、頭もいい2枚目だ。しかし表情を変える機能は付いておらず、会話時も口が動くことがない。
草薙素子と同じく飛行事故により義体化となるが初めの頃はうまく義体が扱えず苦悩していた過去を持つ。
【個別の11人】とは
散々単語として出したので書いてしまいますが、これがなんなのか気になって視聴して見たい!って人やどんなネタバレも避けたい!という人は見ない方がいいかもしれません!!
内閣情報庁のゴーダは難民と国民の対立を煽り、ゴタゴタを作り出し、そこを鎮圧する自衛隊と米国というシナリオを描いていたようだ。
米帝主導の新日米安保条約を締結したい目的があったためだ。
そこで手っ取り早くきっかけを作るために、スパムメールのようなコンピューターウイルスをばら撒きます。実はこのウイルスの正体こそが【個別の11人】
ばら撒き型のこのウイルスは電脳化が進んだ近未来では驚異的に働き、革命の英雄を生み出していきます。作中の主張後の潔い自決、自らの命を厭わないテロ行為は全てウイルスが原因だったのです。
しかしだれでも発症する訳ではなく、条件があります。
個別の11人ウイルスの発症条件は
①「五月革命」に身を投じた思想家、パトリック・シルベストルの著書「初期革命評論集全10巻」を読んでいる。
②その初期革命評論集の幻の11冊目「個別の11人」を探し出して読んでいる。
である程度絞り込んでいたようです。思想がある愛国者が選ばれてしまうようですね。
そのほかの条件もありますが、ぜひ作中から読み取ってみてください。
ウイルスにかかりはしたもののクゼ自身は難民を救済したいという意思が強かったため、ウイルスの脅威から逃れ自害することを免れた。
2004年当時一番の印象的なシーン
クゼとバトーのタイマン勝負です。キッズなのでアクションシーンばかりに目がいってた….
丸腰のクゼは元レンジャーのバトーにマシンガンで狙われるのですが、全く動じません。
バトーもそれにイラつきます。
バトーは容赦なく発砲しますが片手で銃弾を受け止め格闘戦に。ボコボコに殴られても顔色ひとつ変えないクゼ。変えないというか変わらない….全身義体で口を動かす必要性や表情を動かす必要性が乏しいため。
(c)士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊製作委員会
金属パイプでど突かれても全身義体のクゼにはあまり効果がない。最終的にバトーは金属パイプによりターミネーター2の如く串刺しにされ、足止めを食らう。
バトーが一対一で負けたことに当時ショックでした….
ひとつの記事に攻殻機動隊をまとめること自体が無謀でした。
何度見ても新鮮な気持ちで見れますし、あー、ここそういうことか….と今更ながら気づくこともあります。小難しいけど、これ程細かく設定が練られたアニメってありますかね….世界情勢なども現実世界と似てますよ。2000年初期から時は流れましたが全く色褪せないアニメです。
ハリウッド実写映画化されたのですが、未だ見ていません。アベンジャーズでもお馴染みスカーレットヨハンソンが演じていますが、実写化すると大体微妙になる説があり怖くて見れていません。(過去実写化ドラゴンボールを映画館に観にいき微妙な気持ちになった。)
ラインナップで上がっていたのでアマゾンプライムで見てみようと思います。
おわり