白内障
年齢とともに白内障の比率が上がる。
実はお年寄りだけではない事をご存知だろうか。
そして白内障は緑内障と違い失明しないと思う方もいるだろうが、白内障も実は失明に繋がりうる疾患だ。
白内障の原因
- 加齢
- 先天性
- 糖尿病
- 傷
- ぶどう膜炎
- 薬物による副作用(ステロイド等)
- 放射線
- 紫外線、赤外線
白内障はどんな症状?
- 霞んで見える
- 老眼鏡がなくても見える(手元が見えやすくなる)
- メガネが合わない
- 屋外で眩しさを感じる
- 明るいところが見えにくい
- 二重に見える
白内障はどんな病気?
水晶体が濁る事。
それによる見えにくさを感じることを白内障という。
水晶体はカメラのレンズと同様の役割なのは有名だと思うが、レンズを通してフィルムである網膜に光を通す役割だ。
また近くのものを見るときは、厚くなることで網膜に焦点を合わせる。
レンズが濁ると光が通りにくくなるからぼやけて見えたり、見えにくさに繋がるのだ。
白内障は失明する可能性もある。
白内障を放置すると水晶体が濁るだけでなく肥大する。
その結果….
眼房水の通り道を塞いでしまう。
結果として緑内障に繋がり、視神経が圧迫され失明に繋がる。
実は厳密にいうとこれは緑内障発作という。
しかし起因は白内障なので放置することは絶対にいけない。
よくご高齢の方でありがちなのだが、ただの加齢だからしょうがない….
と放置しないようにしてほしい。
ちなみに早期に受診すればまず心配いらない。
こまめな眼科受診を家族にも勧めましょう。
白内障の治療とは
超音波水晶体乳化吸引術
治療概要
10分程度で終わる施術だが、進行していると数時間に及ぶこともある。
水晶体の袋は濁ることがないのはご存知だろうか。
イメージとしてはビニール袋に水が入ってるところを想像するといいかもしれない。
水晶体の袋がビニール袋。
中の水が水晶体の核と皮質と呼ばれる部分だ。(あくまで例えです。液体なわけではないよ。)
水晶体の袋はそのままに中身である水晶体内部の核と皮質を吸い出す。
吸い出した跡空間ができるのでその場所にレンズを入れ込み手術は終わる。
ビニール袋内の水の入れ替え作業だ。
治療方法流れ
- 白目の一部を切開。
- 角膜を一部切りこむ。(黒目のところ)
- 器具を挿入し超音波で砕いた上で水晶体の核・皮質を吸い出す。
- この時水晶体の袋はそのまま。
- 水晶体の袋の中に人口眼内レンズを入れ込む。
手術まとめ
- 10分程度で終わる。(進行していると数時間)
- 麻酔注射はない。(進行しているとする)
- 注射はしないが、点眼薬による麻酔は行う。
- 縫合などは基本的にしない。(自然に塞がる)
- 簡単な施術のため止血も基本的に行わない。
- 手術は保険適応となる。※例外あり
※基本レンズである単焦点レンズは2万円いかないくらい。
ただし多焦点レンズ(複数ピントが合うレンズ)は自費となるため50万円弱と言われている。レンズの違いは後述します。
白内障手術後の注意点
- 老眼が治るわけではない。(近くのものが見えない現象)※レンズによるが….
- こすらない。
- シャワーの時は専用ゴーグルをつけること。
- 点眼薬を点眼する。(抗生剤、ステロイド、非ステロイド消炎薬)
いずれも欠かすことができない。
目薬を忘れがちだが、本気で舐めたらアカンと言いたい….
適切な回数必ず点眼すること。
適切な回数を指さないと効果の出る適切な濃度にならないため意味がない。
老眼が治るわけではない??
近くのものを見るときは水晶体が厚くなり焦点を合わせる。
老眼になるとこの水晶体の動きが鈍くなり近くのものが見えにくくなる。
先程の手術で水晶体の中を取り除いた際に人口レンズを入れたわけだが、このレンズがウニョウニョ動くわけではない。
保険適応で入れたレンズはあくまで単焦点レンズ。
そのためレンズの得意な距離にならないとやはり物自体は見えにくい。
挿入した単焦点レンズのピントが近くのものにピンとが合うものであれば、当人からすれば老眼が治った!!と錯覚するのも無理はない。
しかし近くのものが見えるということは遠くのものは見えにくいまま。
通常のメガネが必要だ。
また遠くにピントを合わせるレンズを入れた場合は手元を見るためには、今まで同様老眼鏡が必要となる。
単焦点レンズの場合カメラと同じで近くのもの、あるいは遠くのものいずれかにしかピントは合わない。
ところが自費になる多焦点レンズの場合は近くのものも遠くのものも見えてしまうのだ。
流石に高いだけはある。
しかし単焦点ほど「くっきり!」と得意な距離があるわけではなく、多焦点レンズはどちらも「ある程度」という見え方をするのだ。
ココは人による感じ方なのだが、どちらもそこそこ見えるからいいよって人と、はっきり見えないと見えないのと同じ!という人がいるので事前によく考えた方がいい。
そこそこしか見えない=見えないのと同じ
と考える人には向かないと思う。
それならば単焦点レンズで近くか遠くかを設定し、足りない部分は眼鏡で補うとよいだろう。
レンズの簡単まとめ
単焦点レンズ
デメリット
- 近くのレンズは遠くが見えない
- 遠くのレンズは近くが見えない
メリット
- 得意な距離ならハッキリ見える。
- 保険が効くので費用がかからない。
多焦点レンズ
デメリット
- 自費のため高額
- 中間距離が見えにくい
- 安定するまで月日がかかる
メリット
- どちらの距離もそこそこ見える。
定期的な眼科検診をオススメします。
おわり